拝啓 星野源さま

10年ものの黄色いCDラジカセから、

初めてあなたの声を聴いたのは、
日本が揺れる少し前でした。
 
特長のある、空気を含んだような声。
 
電波の先へ投げかけ続ける、
限りない親密さと優しい笑い。
 
脳内で作り上げたあなたの姿は、
坊主・キャップ・大きなグレーのトレーナーを着た
ラッパー(カツオ似)。
 
間もなくラッパーが作ったという曲が流れた。
『くだらないの中に』
優しさを真空パックしたような曲に、
びっくりして泣いた。
 
 
リアルのあなたは虚弱そうでいて
ものすごくパワフルだった。
 
日を重ねるごとに、周りを巻き込み、世間を巻き込み、
台風の目のように大きくなっていった。
 
電波ごしの声に、わずかにイライラと雑さが増え、
そして爆発した。
 
あなたは、戦い、蘇生し、
山のように、深い森のようになった。
 
 
 
印象に残っている思い出がふたつ。
 
常連のリスナーさんが採用されなかったイラストを
自分のTwitterに載せたとき、あなたは生放送中に𠮟った。
 
「番組を作っている側には考えがある、
 大事にしたいから、勝手にやらないでほしい(うろ覚え)」
 
しばらくピリピリとした空気が流れた。
 
リスナーさんは速やかに詫び、
あなたはそれを読み上げ、励ました。
その後、リスナーさんはそれまで以上に素晴らしい作品を送り続け、
採用され続けた。
 
 
あなたと仲良しのミュージシャンが
最近腹が立ったエピソードを面白おかしく語った。
 
あなたは笑いながら、
「でもそれは自分が相手の反応を期待しすぎたせいでしょ。
 相手は悪くないじゃん」
と言った。
 
 
正しいものは、正しいと言い、
間違いは間違いだと言う。
 
ひとのズルさ、弱さを受け入れ、
ひとの純粋さを愛する。
 
あなたを見ていると自分の誤魔化し、
傲慢さ、醜さが露呈して、
打ちのめされる思いがする。
 
ただ進化し続けるあなたに
少しでも続き、見習いたいと思う。
 
 
おはよう始めよう
一秒前は死んだ。
 
radipediaおつかれさまでした。